整備講座 Part1

ブレーキ部品の取り扱い方法

ゴムカップの交換方法

今回は私の出番ね!

A図
A図

B図
B図

A図は間違ったゴムカップの交換をしようとしています。
ドライバー等を用いピストンにゴムカップを「組み付け」または「取り外し」を行うと、ピストンに傷をつけてしまったり、ゴムカップそのものに傷を付けてしまい、液圧が発生しない等の重大な不具合につながりかねません。

B図は正しくカップロケットを使用し、交換しようとしています。これだと、ゴムカップやピストンを傷つけることなく安心です。

カップの材質は、ABS・ECSの普及などによるブレーキ液圧の高圧化、耐熱要求が強くなってきたという背景により、従来のSBR材からEPDM材になりつつあります。その結果として、材質硬度が硬くなってまいりました。

カップのセット方法

カップのセット方法

カップ組付け前にピストンと共にブレーキ液に浸し、カップロケットをピストンにあてがい、上からカップを押し込む事により簡単に組付けができます。

カップロケットの組み付け時は、メタルラバー、シリコングリス等で充分に湿潤させて下さい。

でも硬いカップ材質をカップロケット無しでピストンに組み付けるのは、難しいわねミヤコでは各種サイズのカップロケットが取り揃えてあるんだって

ピストンキット

予めカップを組み込んだ「ピストンキット」もご用意しております。

カップロケットはこちら


ブレーキフルード(ブレーキ液)は
正しいものを入れましょう

ブレーキフルード(ブレーキ液)は植物油です。
間違ってエンジンオイル等の鉱物油を入れてしまうと、カップ等のゴム部品は「膨潤」といってゴム材質が変質してしまい、ブレーキが全く効かないとといった不具合に直結してしまいます。

写真はゴム材質のディスクブレーキピンブーツを用いて、膨潤させた実験例です、左側の物はエンジンオイルで膨潤させたもの、右側は正規品です。
明らかに違いが分り、こんなことをしてしまったら極めて危険です。

左:膨潤したもの 右:正規品左:膨潤したもの 右:正規品

こんなに太っちゃったら、大変!もとには戻れませ~ん。
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